「何故簡単に扉は開いたのですか?」






風天使は地天使に聞いた。






「力のある者が開けたのです、本来ならこちら側の住人になるはずの者が…。」






「こちら側の住人?」






「火天使にくだされた神言は…。知っていますか?」






「いえ…。」






険しくなる地天使の顔…。






「聖人をもって…。天使候補を見守り、時を告げ…。天界に連れて天使となるはずだった存在…。」






「天使?!」






「だから…。封印が解かれ易く…。ましてや力のある目覚めの日に魔王が降りた。だからこそ彼には克…。ましてや役目を果たせずに戻さなければならなかったなら尚更…。」






神殿の外には天使が集まっていた。






「見守り連れ帰るのが役目だった。けれど…。愛は時に残酷に…。天使が人を愛してしまうことはあったのです…。」






「貴方はそれを知っていながら何故?!神様は知っていたのですか?!」





風が唸る。






「恐らく知っていたと思います。」






風天使は絶句した。






「神様は見守りました。結果がどうなっても…。」






地天使は天使達の中央に立っている天使を見つめた…。






水天使は水瓶を召喚し、滝が現れた。
天使達はそこに突入していく。天界と地上を繋ぐ滝の扉。






中央の天使が大きな剣を掲げ突入して行った。






「さぁ、私も行かなくては。神様を頼みます。」





にっこりと地天使は旅にでも行くように言った。





「貴方に言われなくてもわかってます。」






風天使に口づけすると地天使は滝の中に入って消えた。






「御武運を…。神よどうかお守りください。我が風よ…。護れ。」






風が吹いて天使は祈る。