「早く壊せ…。お前の為に…。私の為に…。」






あの方の声がした。私の眠りに休息なんてない。





傍らの人形は虚ろな目…。滴る雫を飲み干した。





白い布…。触る事の出来ない。聖なる衣。人形の血で汚し、雷で燃やした。




燃え上がると…。ドクンと胸が音をたてる。炎はメラメラとそこになかったかのように黒いものとなる。





どうしても、名前を思い出せない。私の罪の証しか…。それとも…。






壊れた私を救ったのは…。あの方の声…。私はあの方の道具…。
この世界に…。あの方を召喚する…。だから聖なる術具を破壊する。






「休息はいらない…。狂った聖職者どもに雷を。」





黒い翼が闇に潜む。
向かった先は…。
神に一番近い宮。