「アイツ…。ムカつく…。」






あの子は私のもの…。
聖杯は破壊できなかった。
なのにあの方は怒らない。

私の好きにしろと…。

黒い雨がしとしと冷たい霧を作り出す。

アイツが…。似ている…。アレクセイ…。嫌いよ。嫌い。私のもの…。


叶わぬ願いに…。怒りが走り出す。






黒い翼は天を走り、雷が…。サーベルは鳴き…。黒い雨が降る。







空を見上げる神父が一人…。





「いやいや凄い雷ですねぇ。」





「のんきに雷見てないでください。落馬しますよ。」
小さなブルーの目が神父をにらむ。






「そんなに怒らないでくださいよ。シスターマリー…。」






おどけてウィンクする神父にますます怒りを顕にする…。






ガチャン!






「うわぁ!待って許して!もうしません!」






「シルバーアイの名前を持って撃ち落とします!」







ライフルを突き付け言い放つ。まさに猛禽…。鷲のように鋭く…。






両手を上げた神父にため息をつく。






「シルバーホース…。ジャン神父!」






警告は届かなく…。木に激突。落馬しなかったが枝にひっかかる。






「助けて…。マリー。」





頭痛がしてきた…。ため息が深くなった。