雷雲の中で逃げ惑う人々あり…。

時を告げる鐘の音は悲鳴をかき消しそうとしているようだった。

教会…。小さな寂れた村でも「魔女狩り」が行われた。

広場には数名の魔女、その中にただ一人で叫ぶ神父がいた。

「イリス!こっちだ…。」

彼女はどうにか守られた。
イリスは神父に助けられ…神父は代わりに火刑にされた。

彼は悲鳴も挙げず、熱さを感じないかのように役人を見つめていた。

彼女は息を引き取る彼を見つめ、メラメラと燃え黒煙を上げる黒くなった彼を…。

怒りは彼女の瞳を黒くした。彼女は変わった。

雷鳴がとどろき、彼女は役人に怒りと悲しみをぶつけた。

力はもとから彼女にあった。

怒りは止めることができず、村ごと無くなりそうになった…。

「私には何もない…。」

その時、彼女は彼と目が合った。

黒くなった彼はまるで生きているかのような瞳で彼女を見つめていた。


彼女に雷が落ちた。

天使は堕天使になり、悪魔に愛された。

彼は炎の中に消え…

彼女はサタンの守護を受けた。