「コノハ先輩?」
「ああ。」
俺の前の席を勝手に陣取ってるこいつ。
こいつの名前は福永 晃。
「怜ってわかりやすいよなぁ。
コノハ先輩絡むとすぐ表情変わるもんなぁ。」
また苛ついてきた。
ひとつは、晃の図星すぎる言葉に。
もうひとつは、勝手に"コノハ先輩"って呼んでることに。
「やめろ!」って何回言ってもやめない。
それどころかぁ「嫉妬かぁ?」とからかってくる始末。
ホントうざいよな。
「うざいな、おまえ。」
俺は、けっこう思ったことをすぐ口にする性格でね。
「ははッ
それ、おまえに言われたの何回目だろうなぁ?
1回目は、幼稚園でその言葉を覚えたときだろ。
2回目は、小1のとき、俺はえんぴつふんづけたとき。
3回目は・・・・」
回想に浸っている。


