ジキルハイド症候群




「……困った奴だ」


マリモは、ため息をつくと、あたしに目を向ける。


「蒼真、海江田離してやったら?」


言われて蒼真は忘れていたらしい。
慌ててあたしを離して顔を覗き込む。


「すまない、大丈夫か?」

「……えぇ」


何とかと言いつつ、ずっと塞がれていたので口から空気を入れると軽く咳き込んでしまった。


蒼真は、あたしの背中を擦りながら謝る。


「忘れていたなんて最悪ー」

「あ?」


蒼真に睨まれた亜理砂はしかし舌を出すと、あたしを蒼真から離した。


「行こー」

「………お前」


何かを言うつもりもないあたしは、亜理砂のやりたいようにやらせるようにした。


「蒼真、いい加減にしろ」


マリモに説教されている蒼真は、なんだか新鮮だった。