「自分で作ったの?」
「うん!」
お菓子作り好きなんだ、と言う亜理砂にあたしは、感心する。
あたしはどちらかと言えばお菓子作りは苦手な方だ。作れなくはないが上手くできた試しはない。
きっちり分量どうりにするのが苦手なのだ。
「恵里ちゃん」
「なに?」
「今日はお昼どこで食べるの?」
「今日は、もがっ」
ニコニコと笑みを深める亜理砂に、あたしが答えようとすると、蒼真に口を塞がれた。
ギロリと蒼真を睨み付けるが蒼真はあたしの睨みを無視した。
「なんで教えなきゃいけねぇんだよ」
「それは、恵里ちゃんと一緒にご飯食べたいからですよ」
「あ?」
「もしかして、恵里ちゃんを独り占めするつもり?」
バチバチと火花が散る。
この二人相性悪いのかしら?