ジキルハイド症候群




そう説明してくれた彼にあたしは絶句した。
つまり、何だ。この人はあたしを探すために一人ひとり聞き込みをしたと?


(………マリモとは関わりないよ……。)


変な噂が立たなければいいが、茉里の耳に入ったら最後だわ。


あたしは、こっそりとため息をついた。
すると、突然彼は足を止める。


「?あの、」

「着いた」

「着いた……?」


見ると、そこは今は誰も使っていない空き教室。
数学準備室と書かれてある。


「ここに、蒼真って人がいるの?」

「ん」


彼は、短く返事をするとガラッと教室のドアをスライドさせ、中に入った。


「蒼真、連れてきたよ」


中から複数の男の声が聞こえてきた。


(男ばっか………入りたくないな)