ジキルハイド症候群




「仕方ないだろ」


蒼真には目を向けずマリモは、クラスの隅にいる人達を睨み付けている。


「那祁が来るまで待てなかったのか」


あたしに話すような柔らかい声じゃなく感情のこもっていないような声。


「……待てなかった」


マリモは、小さくため息をついた。


二人の会話を聞きながら、あたしの耳には別の会話も耳に入った。


「………ど……の」

「し……た……い」

「あ……のが………なんて」


途切れ途切れしか聞こえないけれど、焦ったような声。
多分、蒼真も聞こえてる。マリモは分からないけれど。


(………バカね)


怯えるならしなければ良かったのに。
自業自得としか言いようがない。


泣いていた亜理砂は落ち着いてきたみたいだ。しゃくりをあげながらあたしにしがみついている。