ジキルハイド症候群




洗わないときっととれないだろう。


(……やりすぎだわ)


ここまでするなんて、小さく呟くと、ポトリとあたしの手の甲に水が弾いた。


「亜理砂」

「これ、凄いでしょ?ドア開けた瞬間バサッだよ……」


もう先生云々のレベルじゃないよね。


ハハッと笑うが、その目からは止めどなく涙が溢れ落ちている。
見ていられなくて、あたしは自分が汚れるのも厭わずに亜理砂を抱き締めた。


「笑わなくていいよ」

「っ………ふぇ、」


ギュッと抱き締め返してきて、泣き出す亜理砂の頭をあたしは撫で続けた。


「廉、暴れすぎだ」


先生は、自分に害が及ばない距離で傍観し、制止の声を上げているだけ。


蒼真は、マリモの隣に立つと呆れたような目を向けた。