ジキルハイド症候群




教室の隅には恐らくクラスの生徒だろう、固まって怯えている様子だった。


「どうした?亜理砂にするときは喜んでしていたんだろ?」


鼻で笑いながらマリモは机を蹴散らす。
そんなマリモの傍らには、真っ白い姿の亜理砂が座り込んでいた。
涙を流しながら呆然としている。


「亜理砂………?」


蒼真の手を離して、教室内の亜理砂の所に向かう。


「亜理砂、」


腰を屈めて亜理砂と目線を合わせる。
顔を覗き込んでもあたしと目線は合わない。


「亜理砂」


名前を呼んで、頭についた白い粉を払う。小麦粉のような感触だ。
パタパタと振り払っていると、亜理砂が顔をあげた。


「恵里、ちゃん……?」

「うん」


制服も真っ白だ。