ジキルハイド症候群




「俺は用はない」

「は?」

「でも蒼真が用があるって」

「はぁ……」


蒼真って一体誰?
彼は、いきなりあたしの鞄を引ったくった。


「あ、」

「ついてきて」


スタスタと歩き始めた彼。
その手にはあたしの鞄。


(物質、てわけね……)


あたしは、ため息をつくと、彼に追い付くように歩き出した。
意外にあたしに合わせて歩いてくれていたので、すぐに追い付く事ができた。


「………蒼真って人はあたしに何のよう?」


聞いてみると彼は首を傾けた。


「さぁ……連れてこいって言われた」

「そう」

「名前しか教えてくれなかったから探すの大変だった」


クラスもわからないし、取り敢えず、靴箱で来た生徒一人ひとりに聴いて、最後の最後でヒットした。