ジキルハイド症候群




「おい」


低い声に、亜理砂は身を縮め、涙を堪えるように唇を噛み締める。


「………いつもなの?」


なるべく優しく問いかける。
亜理砂は、ゆっくり頷いた。


「恵里、知ってるのか?」

「昨日、ね……」

「自殺願望者?」


那祁の声に亜理砂は体を震わせる。


「………話は後だ。取り敢えず、手当が先だ」


あたしを立たせながら蒼真が言う。
怪我に障らないようにゆっくりとあたしを支える。


「蒼真」

「あ?」


保健室に向かおうとしていた蒼真をマリモが呼び止める。


「俺は、こいつに話あるから」

「……あぁ」

「じゃあ、俺は、違う作業しようかな」


それぞれ、自分のすべき事をするために散らばる。
あたしは、蒼真に連れられ保健室に向かった。