ジキルハイド症候群




「どうした?っ、恵里っ」


顔を覗かせた蒼真は、あたしの手から流れる血を見るなり慌てて手を取った。


「おい那祁!」

「はい」


那祁から渡されたハンカチでグルグル巻きにされた。
それを横にあたしはジッと手紙の山を見た。血で赤く染まっている部分。恐る恐る手を伸ばし安全な部分を掴んで持ち上げると、鋭いカッターの刃が貼り付けられていた。


「恵里ちゃん、ごめんっごめんなさいっ」


怪我をしていない方を掴んで亜理砂が涙を流しながら謝ってくる。


「………どういうことだ?」


初めて、マリモが口を開いた。
その声には怒気が含まれている。


「っ……」


亜理砂は、膝の上できつく手を握りながら俯く。