ジキルハイド症候群




そう言うと、亜理砂は手紙を拾い始めた。一つひとつ慎重に袋のなかに入れていく。


(?……潔癖症?)


触らないで、とはそういうことなのか、しかし一つひとつしていたらはっきりいって授業に遅れてしまう。


チラッと蒼真を見てみると、那祁とマリモと何やら話をしているようで、あたしはジッと亜理砂を見た後、横の袋をかっさらった。


「あ!っ待って!!」


亜理砂の制止の声も聞かず、あたしは手を手紙の山に突っ込んだ。


「っ!」

「え、恵里ちゃん!」


指に痛みが走り、手を引っこ抜く。


「恵里?」

「………なに、これ」


亜理砂の声に蒼真がこちらに近づいてくる。


あたしの手からはダラダラと赤い血が流れていた。