ジキルハイド症候群




「恵里ちゃん!!」


学校に着くと、亜理砂が手がとれそうなくらいに激しく手を振っていた。


「亜理砂」

「おはよう!」


ニコニコと笑顔であたしの前まで駆けてくる。


「おはよう」

「待ってました!」

「?」


亜理砂は、あたしと蒼真の間にはいると、あたしの腕に自分の腕を絡めた。


蒼真の眉間に皺を寄せたのは見なかったことにする。


「お前……」

「一緒に行こう!」


そう言いなり亜理砂はあたしの腕を引きながら歩き出す。


「………ちょっと、」


亜理砂に話しかけようとして、くんっと後ろに腕が引っ張られ先を辿ると蒼真があたしの手を掴んでいた。
それを亜理砂は、目敏く見つけて叫ぶ。


「あっ離してくださいよ!」

「お前が離せ」

「嫌ですよ!」


二人はにらみ合い、あたしはその間で二人に引っ張られる。