ジキルハイド症候群




彼女達に心を開いたことは一度もない。


「なら、今日は屋上に来い」

「?」

「飯、一緒に食おう」


そう言って蒼真は笑った。
誰だったかな?蒼真は無口で無愛想な奴だって言っていたのは。
十分に喋るし、笑うじゃない。


「………ねぇ」

「ん?」

「なんで、あたしなの?」


ピタリと蒼真の足が止まった。


「あ?」


若干低くなる声にあたしは少しだけ気づかれない程度に体を震わせる。
それでも、聞かなきゃいけないと思った。


「どうして茉里じゃなかったの?」


茉里を嫌いだと蒼真が言う。そしてあたしを好きだと言う。
何が一体どう違うの?亜理砂も言っていたけれど、よくわからない。


「あたしは、茉里と同じだよ?」


すると、蒼真は深いため息をはいた。