ジキルハイド症候群




純粋な心を向けられたから。


「そう、かな?」


照れ臭そうに頬を赤く染める。
こんなにいい子が自殺願望なんて持つなんて、あたしがここにいてよかったと染々思った。


そんな思いを心の中にあたしは彼女を見つめていると、ダダダッと慌てたように駆け上がる足音が近づいてきた。


「恵里!!」


バターン!!とドアを壊しそうな勢いで開けたのは息を切らせた蒼真だった。
あたしも、彼女も蒼真の姿に目を見開く。


「蒼真?」

「っ恵里!」


蒼真は、あたしをその目に映すなり駆け寄ってきて勢いよくあたしに抱きついた。


「ぅわ、」

「………無事でよかった……」


耳元で安堵の息を溢しながら蒼真は呟く。


「無事……?なんのこと?」


ぎゅうぎゅうに抱き締められ、若干息苦しさを感じながらあたしは聞き返す。