ジキルハイド症候群




でも、と彼女は続ける。


「貴女は、違う。」

「違う……?」

「何だろう、妹さんと比べると何時も哀しそうな雰囲気を出してる………だけど、なんだか落ち着く。」


あたしと茉里。
まるで対極だ。


「あたしは、恵里さんの方が断然好き。」


今まで、皆あたしではなくて茉里の方を見ていた。
あたしなんか誰も見てくれなくて。


そんなあたしを、この子は好きだと、妹ではなく、あたしを、海江田恵里を見てくれている。


「………ありがとう」

「え?」

「貴女は、いい子だわ………」


涙腺が緩みそうになるのを必死に食い止める。
嬉しい。
人を信じれないあたしに、この子の声はすんなり入ってきた。
それは、恐らく偽りには聞こえなかったから。