ジキルハイド症候群




(………あたしも、人には言えないな…)


彼女には、偉そうに言ったけれど、あたしも同じだ。
妹に、茉里に言い返すこともできない。
否、言い返すことを放棄してしまったから。


あたしは、苦笑すると、元の場所に戻って座る。
さて、一眠りでもと思えば、傍らに彼女が立つ。


「………何か用?」

「貴女は、何で屋上(ここ)にいるの?」


先程、死のうとしていた子とは思えないくらいに彼女は笑みを浮かべながら聞いてくる。


「別に、静かな場所にいたかったからよ」

「なるほど」


一つ頷くと、同じように腰を下ろして足を伸ばす。


「………なに?」

「貴女、もしかして海江田恵里さん?」

「!」


彼女の言葉に目を見開く。