ジキルハイド症候群




既に彼女はフェンスの向こう側。


ジッと下を見つめている少女にあたしはゆっくり近づいた。


「自殺願望者?」

「!!!??」


目に見えて体を震わせて振り返る彼女にあたしは笑いたくなった。


「な……で」

「先にあたしが来てたの」


休もうとしたら貴女が入ってきたんだけど。


そう言うと彼女は申し訳なさそうに眉を下げた。


「ごめんなさい。邪魔をして……」

「別にいいわ……それより、何しているの?」

「………」

「新しい遊び?ならやめた方がいいわ、落ちるよ」


彼女は、俯くと首を振った。


「………もう、疲れたの。あたし…」

「疲れた?」

「ごめんなさい。出ていってくれませんか?」


少女はあたしに頭を下げた。