ジキルハイド症候群




影から彼女を観察してみる。
キョロキョロと興味深そうに屋上を見渡している。


(小動物みたい……)


ハムスターとか、うわっなんか似てるわ。


好き勝手言っていると彼女はふらりとフェンスの方に近づいた。指をかけてガシャンと音を鳴らす。


「はぁ……」


深いため息。
突然、彼女に纏う空気が重くなったように感じた。
ついで彼女の目から涙が零れ落ちる。


よく見てみると、彼女の制服は所々汚れていた。白のブラウスには土の色。紺のスカートには白やピンクの色がついている。


「あたしが、一体何をしたの……?」


ガシャンとフェンスに頭を押しつける。
ガシャンガシャンと何度も叩きつけるその姿は狂っているかのように見えてしまう。