ジキルハイド症候群




大概場違いだと思った。


(………広……)


マンションの一室なのに一軒家よりも広い。天井も高く、一目で高い部屋だと思った。


(一体、何者なんだろう……)


「恵里」


ドカッとソファーに腰かけた蒼真に手招きされる。


「なに」

「来い」


手招きしながら命令され、ムッと来る。
しかし、足は自然と蒼真の方に動いている。


「座れ」

「………嫌だと言ったら?」


思わず反論する。
蒼真は、僅かに眉間の皺を深くすると、あたしの手首を掴んで引き寄せ、無理矢理座らせた。


「ちょ、」


ボスンとソファーの上で二回程跳ね、抗議を上げようとしたが、その前に何かが倒れてきた。
言わずもがな、それは蒼真自身で、あたしの太ももに寝転がり、目を閉じた。