ジキルハイド症候群




それから、二十分程経つと、ゆっくりと車が止まった。


「着きました」

「あぁ、ありがとう」

「いえ」


薄く笑みを浮かべて運転手は首を振る。
蒼真は、車から降りると、あたしの方に回ってきて、ドアを開けてくれた。


「………どうも」


車から降りると、目の前には高層マンションが建っていた。
まだ作られたばかりのような綺麗なマンション。


(高そう……)


首が痛くなるくらいに高いマンションにあたしは心の中でそう思った。


「来い」


蒼真はあたしの鞄を持ったままマンションへと進む。


「ほら、いくよー」


那祁が横を通っていく。


「…………なんで、」


(あぁ、もう!)


あたしは、地団駄を踏むと、二人の後を追いかけるように歩き出した。