ジキルハイド症候群




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同情、なんて一ミリにも抱いていない。
半歩前を歩く少女に俺は何とも言えない。蒼馬と同じようにこの少女に好感を持つことはなかった。


とても恵里ちゃんと姉妹には見えなかった。
顔が同じということには驚いたが、それだけ。
俺の興味の対象にはならなかった。


しかし、その背中を見ると多少なり哀れさを感じる。
何をしたかはわからないが、蒼真を怒らせたのだから。


「………」

「………」


道中、お互いに無言だった。
逃げることはないとは思うが、この少女の動きには集中しておく。


更に数分の沈黙の後、少女が口を開いた。


「―――――本当は、」


ポツリと独り言のように呟く。


俺は、黙って聞いていた。