ジキルハイド症候群




そもそも、あたしのクラスバッチを一体何に使うというの?


「んじゃ、用も済んだし、帰ろ」


田中さんの言葉に、両側の力が緩む。


(二人が離れたら、バッチを……)


取り返さなきゃ、と僅かに重心をずらした。しかし、その刹那。


「あたしも馬鹿じゃないよ?」

「っは、……」


鳩尾に衝撃が襲う。
グッと鳩尾に拳を入れられ、あたしはその場に崩れ倒れた。


(っ、まさか、)


「あ、痛かった?久々だったから加減出来なかったわ」


あたし、こう見えて空手の有段者だからさ。


「っぅ……」


痛さの余りに意識が飛びそう。
ぐらつく体を支えるために地面に手をついた。


「恨むならあたしらじゃなくて、あいつを恨んでね」


動く足音。