「っ返して!」
田中さんから奪い返したいけれど、両手は塞がっていていくら力を入れても両側の彼女らはビクともしない。
(なんて力を……!!)
「ごめんねー。頼まれたからさ」
「頼まれた?」
「そ」
田中さんは、あたしのクラスバッチをポケットにしまう。
「あたしは別にあんたと陵南さんが付き合ってもどうでもいいんだけどさ、面白くない奴もいるんだよ」
「………」
「あたしも理解出来ないんだよね、あいつの事」
でも、頼まれたしー、お金もらったからさぁ、仕事しなきゃねー。
キャハハと笑う田中さんに、あたしは、今すぐ彼女の後ろに潜む黒幕を取っ捕まえたい衝動に駆られた。
不満があるなら、誰かに頼むんじゃなく、直接あたしに言いに来なさいよ……!!
お金で動いた彼女らにも腹が立つが、こんな風に捕まってしまった自分にも不甲斐なさを感じる。


