ジキルハイド症候群




「別にいい」


(茉里に会いたいんじゃないの?)


別にいいって、ならあたしはここに来る理由なんてなかったじゃん。


「………さっぱり分かんない」

「だから説明してやるから座れ」

「………」


バシバシと叩かれ、あたしは渋々蒼真の隣に座る。
座ったのを確認すると、しかめっ面な顔が少しだけ柔らかくなったように見えた。


「廉の事は悪かった」

「別に、茉里と間違われるのは何時ものことですし」


毎回毎回、間違われる。
二歳離れているのに、どうして皆間違うのだろう。
いっそのこと、あたしが変わろうか。
髪を染めるなり化粧するなり、そうだカラコンも入れてみようか。
そうしたら少しは変わるかもしれない。


「………どこを間違えるんだ?」

「え?」


蒼真を見ると、眉間に皺が寄っている。