ジキルハイド症候群




慣れてしまったからか、冷静で居られる。せっかく呼んでくると提案したのに、蒼真はため息をついて答えた。


「那祁、廉」

「はーい」

「………」


蒼真の一声に二人は察したように教室から出ていった。
ピシャリとドアが閉められる音が響く。
二人が出ていったので、あたしも出ようかと思ったら、阻止するかのように蒼真があたしの名前を呼ぶ。


「恵里」


(なんで、あたしの名前を知っているの)

「なんでしょう」

「座れ」


蒼真は自分の隣の空いている場所を指差す。何故、と問い返した。


「勘違いしているから」

「?」

「廉のミスだ」


別に、気にしていない。
いつものことだから。


「別に、今から連れてくるわ」

「いらない」

「………は?」