「恵里」
名前を呼ばれて振り替えれば、コップにジュースをいれて持ってきてくれた。
テーブルに置いて、手招きする。
「……ここならゆっくり話せる」
ソファに座る蒼真の隣に腰掛け、膝を抱える。
ジッとコップを見つめながら、あたしは、意を決して口を開いた。
「………蒼真は、どうしてあたしの側に居てくれるの?」
「なに?」
「どうして、茉里じゃないの?」
同じ顔をしているあたし達。だけど皆茉里を選ぶ。
だのにどうして、蒼真は違うの?
「………前にも言っただろ」
「……」
「皆が皆、あの女を選ぶわけない。俺は、あの女が大嫌いだ」
「あたしも同じ顔をしてる」
「顔が問題じゃない。根本的な所で違うんだ」
お前とあの女は。