ジキルハイド症候群




唇が震える。


「ね?」


お兄さんの笑顔は、温かい。


あたしは、ゆっくり言葉を紡ぎ始めた。


「………あたしには、同じ顔の妹がいるんです………」





全部、話した。
今まであったことも、今から起こるかもしれないことも、全部。


途中、言葉に詰まりながら、泣いてしまったけれど、お兄さんはただ聞いてくれていた。


何も言わないで、隣でずっと、あたしの言葉に耳を傾けてくれた。


「――――そうだったんだね」


全てを話終わったあと、お兄さんは漸く口を開いた。


「……はいっ……」

「どうして、溝が出来てしまったんだろう」

「……分かりません……」


涙を拭いながら、あたしは茉里を思う。
今頃、蒼真と一緒にいるのだろうか……?