ジキルハイド症候群




「さっきの話、聞いた?……あたしに興味持ってくれてるみたい」


クスクスと茉里は笑う。


「やっぱり、あたしなんだよ」

「っ」


あたしは、それ以上聞いていたくなくて、リビングから飛び出した。


「!どうした」


玄関で待っていた蒼真は、飛び出してきたあたしに目を見開く。


そんな蒼真を横目にあたしは急いで靴を履くと、蒼真を置いて家から走り出した。


「恵里!!」


呼び止める声が聞こえてきたけれど、今は誰の声も聞きたくない。
一人になりたかった。


どこに向かうかなんて決めていない。
ただ足が向かうままにあたしは走った。


――――気がつけば、知らないところで立ち止まっていた。


「はぁ……は……」


肩で息をしながら呼吸を整える。