ジキルハイド症候群




「知ってたんですか?最近別れたんですよー」

「………チッ」


蒼真は小さく舌打ちをする。


茉里は気付いてないのか、気付かない振りをしているのか、蒼真と少し距離を縮める。


「っ、」


ズキッと胸が痛んだ。


「陵南さん、本当にかっこいいですねー」


猫なで声で茉里は、蒼真に触れようと手を伸ばす。


――――やめて!触らないでっ


「っ、そ、ま」

「ん?」


蒼真は、茉里からすり抜けると靴を脱いであたしに近づいてくる。
すり抜けられた茉里は、恨めしそうにあたしを睨む。


「………隈出来てる」


蒼真は、あたしの目の下の隈に触れる。


「目も腫れてる……何があった?」


心配そうな声音にあたしは、涙腺が緩むのを感じる。