ジキルハイド症候群




「お姉ちゃーん」

「!!」


茉里の高い声にあたしは文字通り飛び上がった。
腕を見ると鳥肌がたっている。


(―――まさか、)


ハッとしてあたしは、足早に玄関に向かう。


「陵南さんが来てるよ」


ニコニコと外面の笑顔の茉里と、


「……恵里」


若干不機嫌そうな蒼真がいた。


「……蒼真、」

「お前が出ろよな」


俺が来るの、知ってたろ?


(……忘れてたとは言えないわよね)


とりあえず無言を貫く。


「いいなぁ、お姉ちゃんは迎えに来てくれる彼氏がいてー」


茶化すような声にあたしは吐き気を覚える。
猫かぶりが上手だ。


「………彼氏いたろ?」


ギロリと蒼真は茉里を睨む。


茉里は、一瞬キョトンとすると、満面の笑みを浮かべた。