ジキルハイド症候群




「――――お母さんが言ってたあの子って、陵南さんのことだよねぇ?」

「っ」


ビクッと肩が震えた。
耳を塞ぎたくなる。


「いいなぁ~あーんなかっこいい人。自慢だよねぇ」


自慢、とかしない。
蒼真をそんな風に見たことない。


「でもさぁ、あんな人が、なんであんたを選んだのかなぁ?」


耳を塞いだ。
聞きたくない。何も言わないで何処かにいってよ。


「ねぇ、覚えてる?今まであたしが付き合った人達。」

「っ」


あたしは、ベッドの中に逃げ込んだ。
やめて、やめて。


「みーんなあんたと付き合った奴ばっか」


クスクスと笑い声が聞こえてくるようだ。


「陵南さんは、どうなのかな?」


あんたの事が本当に好きなのかな?