ジキルハイド症候群




「ううん。恵里ちゃんは側にいてくれたもん」


それだけで何れだけ救われたか。
亜理砂の言葉にあたしは目を見開いた。


あたしが側にいただけで救われたの?


(あたしでも、役に立てたのね……)


その事実は、嬉しかった。


「………あのさ、恵里ちゃん」

「?」


モジモジと照れ臭そうな亜理砂は、あたしに何を言いあぐねているみたいだ。
首を傾けると、意を決したように亜理砂は言葉を絞り出す。


「これからも……友達で居てくれる?」

「!」


虚を衝かれた。
そんな言葉をかけられるとは思っていなかったから。
考える必要はないと思っていた。


不安げにあたしの様子を窺う亜理砂に、あたしは、微笑を浮かべる。
きっと、ちゃんと笑えてると思う。