ジキルハイド症候群




コンコンと机が叩かれて、あたしは顔を上げる。


目の前には、クラスメートが数人立っていた。


「………なに?」

「ちょっといい?」


ニッコリと作り笑みを向けられる。
彼女達の背後に見える時計に、いつの間にか寝ていたんだなとボンヤリと思った。


「理数学科の陵南さんと付き合ってるの?」

「………どうして?」

「えー、気になったからぁ」


あたしと目線を合わせるように腰を下ろして机に両腕を乗せその上に自分の顎を乗せる。


「ねぇ、どうなの?」

「……さぁ?」

「えーどっち?」


目を輝かせて見つめてくる彼女に、あたしは視界の隅に捕らえた見知った姿に席をたつ。


「海江田さん?」

「想像にお任せするわ」


お母さんが作ってくれた弁当を手にあたしは教室の外へ向かう。