技術的に有利に立つが五輪初出場のミューちゃんと、技術的な衰えはあるものの場数を踏み精神的な有利に立つ復帰組。


一件五分な勝負にも見えるが……どちらが有利かは察しの通り。


精神的に一杯一杯な時に、大介がミューちゃんに救いの手を差し伸べたらきっと……いう彼女には申し訳ないがそういった作戦を提供してはみたが。


まあ結局、二人は復帰しなかった。


てなわけでこの計画はオジャン。大介のミューちゃん奪還計画は失敗というわけだ。


「過ぎたことをあーだこーだ言ってると嫌われるよ~? あ、もしかして弟君の存在がそんなに怖い?」


「ばっ!? んなわけねーだろバーカ! あんな泣き虫中坊なんか眼中にねーよ!」


「へぇ……」


本当は怖いくせに。バレバレなんだよ。


「いずれにせよ、暫くは大きな動きはないだろうね~。余裕ぶっこいてると、足元をすくわれるよ~」


「余裕? なんのことだよ」