夢中遊泳、その先に君


しかも夏休みだ。学校がなければ、顔を見る機会さえない。

数日間だけ補習があることはあった。でも、俺とアカリが同じクラスの補習を受けることはなかった。

仕方がない、脳みその優劣の差だ。それが一層、俺を惨めな気持ちにさせた。


祭りの会場に着くと、友達たちはすぐに見つかった。

夏休み中何度も遊んだけれど、数日の合間にいっそう黒くなっている肌。

でも黒ばかりじゃなかった。その中に、いくつかの白。丸くピンクに染められた頬。

紺色、水色、薄黄色。

色とりどりの浴衣に、普段とは違う髪型をした、クラスの女子も混じっていた。


「真鍋くん来た来た!」
「久しぶり~真鍋くんっ!!」


高いトーンの後ろで、ニヤニヤを隠しきれていない友人たち。

男だけじゃなかったのかよ、と怪訝な目線を送れば、張り切って甚平なんか着てきている奴がいっそうニンマリと笑った。


「男だけで夏祭りかよっつったの、お前だろ」


行こうぜ、と腕を叩かれ、俺たちはゾロゾロと塊になって動き出す。

新鮮なメンバーと、外気の熱さと。いろんな要素が混じり合って、つぅっと一筋の汗が背中を伝う。


「こっちから回ろうよ~!」
「まず何食べるー?」
「つか、下駄慣れなーいっ!!」


あはは、と普段よりも高い笑い声が響く。

はしゃぎ、笑顔はじけるその中に…アカリは、いなかった。