『“なんだ”って、どういう意味?』


「別に」


『蜜姫さんだと思ったんでしょ』


「そんなんじゃないよ」


『嘘つき』


「おまえはおれの心が読めるのか?」


『どうかしら』

 倉吉は挑発的な言葉でからかう。


「ところで用件は?」

 面倒なことを頼まれる気がして、すぐにでも電話を切りたい。