“君”と付けたということは、相手がおれということになる。


 かなりせっかちなタイプなのか、急な用事があるのかもしれない。


「どなたですか?」

 サギ紛いの勧誘かもしれないので警戒しながら訊く。


『失礼しました。私くし1年2組の学級委員長をしています倉吉といいます』

 父親かもしくはお兄さんという可能性も考慮したのか、倉吉は自己紹介をする。


「なんだ、倉吉か」

 電話からの声だと少し大人っぽく聞こえ、まさか倉吉とは思わなかった。