「お父さん、作家さんなんだ。著作名は?」 「あまり有名じゃないよ。コアなファンはいるみたいだけど。それにお母さんも作家なんだ」 「へぇ~両親が作家なんて凄いね。お母さんはどんな小説書いてるの?」 「お母さんは……官能小説を書いてる。恥ずかしくて誰にも言ったことないんだ。両親は出版社でたまたま居合わせたのが出会いだったみたい」 「そうなんだ」 零(ゼロ)という型破りな名前をつけた両親の“素質”がわかった気がした。