「ここまできて嫌になったのか?」 おれの質問にゼロは首を左右に力強く振ってNOの返事。 「私の住んでる家は、あまり評判の良くない物件なの」 「評判?」 「昔住んでいた家族の人が変な死に方をしたみたいで、いわくつきの物件だったみたい」 「どうして、そんな家に住んでるんだ?」 「父親がホラー作家で、そういう家に住んでいるとインスピレーションが浮かぶ気がするんだって」 ゼロは不貞腐れ気味に答える。