そんなことで悩んでいると、担任の先生は班分けの発表を終了させた。


 おれだけが名前を呼ばれていない。


 高速バスで通学しているのはおれだけなので、班から外れることは予想していたことだが、なにも先生から言われないのは寂しい気がする。


 まぁ、一人で帰っても別にいいけど……。


 いまはできるだけ悩みの種を減らしたい。


「先生!」

 突然、ゼロが手を上げた。


 ザワザワッと教室が際立ち、ゼロに注目が集まる。