またゼロのことだ。
「クラスで一番初めに声をかけてくれたのは蜜姫だからな」
答えたあとで、おれはちょっと後悔した。
もっとオーバーに親密な関係であることをアピールして、嫉妬するか様子を見ればよかったかもしれない。
倉吉と蜜姫を天秤にかけて、どうにかしようなどと思ってないが……。
「蜜姫さんとは関わらないほうがいいと思う」
倉吉は“言ってしまった”と魔が差したような表情をすると、おれから小走りで逃げていく。
「おい、どういうことなんだ?」
おれの問いかけに振り向きもせず、倉吉は行ってしまった。
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