「おれ、何かしたか?」 おれは掴まれている腕を振り解く。 「昨日、教室の掃除サボったでしょ」 倉吉は腕を組み、わかりやすく怒っていることを表現する。 「えっ、おれ昨日掃除当番だったの?」 おれは高校生活初日に掃除当番を割り当てられた不幸を呪った。 「掃除をサボったのは田中君だけなんだからね」 倉吉は口を尖らせる。 昨日はゼロと帰れる喜びで、掃除のことなんか忘れてしまっていた。