体育館から教室へ通じる渡り廊下を歩いていると、怒り気味の女の声が後ろから飛んできた。 「ちょっと田中君!」 ゼロでないのは明らかで、無視してそのまま歩いていこうと思った。 「待ちなさいよ!」 二度目の掛け声は叫びに近かった。 渡り廊下を歩いていたクラスメイトたちから一斉に注目を浴びる。 その視線に強制され、おれは振り向く。 立っていた人物は倉吉知里。 昨日、先生に学級委員長に任命されたので、顔と名前は覚えていた。