なので、先生には安っぽい威厳というものしか感じなかった。
その担任の先生は夏休み明けにクラスから突然姿を消し、何事もなかったかのように教室の教壇に初対面の女の先生が代わりに立っていた。
もちろん付き添ってきた教頭先生にクラスメイトから質問が飛ぶ。
「教頭先生、○×先生はどうしたの?」
母親にも訊いた。
「ねぇ、○×先生はどうしたの?」
おれが元担任のことを尋ねると、大人たちは口を揃えてこう答えた。
“○×先生は体調を崩して学校を辞めることになってしまった……”
大根役者の台詞のように聞こえた。
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