バスは上部がガラス張りの安全装置壁と平行に横付けされていて、ゼロはおれが座った座席窓の下のところまで来てくれた。
バスの乗降口以外はガラス越しとなり、バスの窓を開けても声は届かない。
ゼロはおれが乗ったバスが動き出すまで待ってくれて、手を振って見送る。
会話は完全にゼロのペースだったが、初日としてはまずまずなのだろうか?
家に着いたのは午後5時を少し過ぎていた。
両親が共働きで兄弟もいなくて、木造瓦葺き二階建ての家には三人が住む必要最低限のスペースしかなく、リビングダイニングは親戚の人に“ママゴトセット”と揶揄されるほど狭い。



