「はい、こちら……」と女の人の声が聞こえたところで、ピッ、ピッ、ピッィ~と電池切れを伝える音が鳴り、通話が途絶えた。 役立たずのケータイを炎に向かって放り投げる。 く、苦しい……。 喉が熱くなって両手で掻きむしる。 そのとき「ギャァ~」という気色悪い余韻が残る悲鳴が聞こえた……気がする。 金庫室が黒い煙で充満しつつ中、おれの意識は遠のく。